乳腺炎~種類や症状・原因・治療について

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乳腺炎~種類や症状・原因・治療について

乳腺炎とは

乳腺炎は、乳腺組織に炎症が起こる病気で、主に授乳中の女性に発症しますが、授乳とは関係なく発症する場合もあります。原因は、母乳のうっ滞(母乳が乳房内に溜まり続けること)と細菌感染です。

乳腺炎の症状

  • 乳房の痛み、腫れ
  • 乳房の赤み、熱感
  • 乳房が硬くなる、痛みを伴うしこり
  • 乳頭から膿が出る
  • 脇のリンパ節の腫れ、痛み
  • 発熱、頭痛、関節痛  など

乳腺炎の原因

うっ滞性乳腺炎は乳房に母乳が溜まり続けることで炎症を引き起こします。
化膿性乳腺炎は、うっ滞性乳腺炎に細菌感染が伴って発症する場合と、授乳に関係なく細菌感染を起こして発症する場合があります。授乳に関係なく発症する場合、多くが乳頭の小さな傷口から細菌が入り感染を起こすため、陥没乳頭の方は乳腺炎になりやすい傾向にあります。また、喫煙や肥満、糖尿病もリスクになります。

乳腺炎の治療

乳腺炎の治療うっ滞性乳腺炎の場合、授乳や搾乳で母乳をできるだけ出して、乳房内の母乳の溜まりを改善することが治療になります。痛みや発熱などの症状が強い場合は、抗生剤や鎮痛剤を処方する場合もあります。当院では授乳中でも安全な薬を処方いたしますのでご安心ください。
化膿性乳腺炎の場合、抗生剤の内服が必要になります。痛みや発熱を和らげるため、解熱鎮痛薬を追加で処方いたします。膿が溜まってしまった場合は、針を用いて膿を排出する処置を行ったり、重症の場合は外科的な切開排膿が必要になることもあります。
乳腺炎の治療中は脂っこい食品や、脂肪分の多い乳製品などは控えた方が治りは早くなります。また喫煙中の方は治りが悪くなったり難治性となる傾向があるため、控えることをおすすめします。

【うっ滞性乳腺炎】

母乳が乳房内に溜まって炎症を起こしている状態をうっ滞性乳腺炎といいます。
母乳の分泌される量が、赤ちゃんが飲む量より多いときに起こります。
その原因にはいくつか考えられます。

  • 授乳間隔が不規則:授乳の間隔が不規則だと赤ちゃんの飲む量と母乳の量のバランスが悪くなり、母乳のうっ滞を引き起こしてしまいます。
  • 赤ちゃんの飲む量が少ない:生まれたばかりの時はまだ小さく飲む量があまり多くない為、母乳の量が多くなっていまします。また母乳をあげる時間帯によっても飲む量が変わるため、アンバランスが生じてしまいます。
  • 授乳の姿勢や赤ちゃんの向き:授乳の姿勢や吸う赤ちゃんの向きによっては、吸う力がかかりにくい乳管ができ、そこに母乳がたまってしまいます。
  • 十分に開いていない乳管がある:初めての出産・授乳の際に起こりやすく、十分に開いていない乳管があるとその部分だけ母乳の出が悪く、結果乳房内で母乳がうっ滞してしまい炎症を起こしてしまいます。母乳マッサージなどは乳腺の詰まりを改善するのに効果的です
  • 乳房の圧迫:下着や抱っこ紐、シートベルトなどの締め付けによって、乳房が圧迫されて炎症を起こしてしまうことがあります。

以上の原因をできるだけ避けるように心がける事は大事ですが、乳腺炎の回復には授乳の工夫だけではなく、水分補給や栄養、そして休息もとても大切です。
お母様ご自身の身体も大事にして、休める時には休息をとって、水分と栄養を摂り、ご家族や地域のサポートもぜひ頼られてください。

【化膿性乳腺炎・乳腺膿瘍・乳輪下膿瘍】

乳腺炎から細菌感染を起こした状態を「化膿性乳腺炎」を言います。
「乳腺膿瘍」は、化膿性乳腺炎がさらに悪化して乳房の中に膿が溜まった状態をいいます。
授乳に関係なく発症する場合、多くは乳頭から細菌が入って乳輪の下に膿がたまるため、「乳輪下膿瘍」といいます。
どちらも症状はうっ滞性乳腺炎とほぼ同じですが、細菌に感染して膿がたまるとより症状が強くなり、乳頭から膿が出ることもあります。また全身症状として発熱したり、頭痛や関節痛が出ることもあります。

治療は抗生剤の内服ですが、膿が多い場合や症状が改善しない場合は、針を用いて膿を排出する処置を行ったり、重症の場合は外科的な切開排膿が必要になることもあります。

【肉芽腫性乳腺炎】

肉芽腫性乳腺炎は、症状も、画像所見、経過も化膿性乳腺炎と似ていますが、細菌感染を伴いません。細菌はいないのに膿がたまるため、自己免疫反応が関与していると言われていますが、原因はいまだに分かっていない疾患です。
発症してすぐの、病変が小さい時は、痛みを伴わないことも多く、乳がんと間違われることがあります。その場合は生検をして診断に至るケースもあります。
原因が分かっていない為治療法も確立してはおりませんが、一般的にはステロイドの内服を行い炎症を抑えます。膿がたまっている場合、切開排膿の処置が必要になることもしばしばありますが、ただし難治性で治癒までに数か月かかる場合もあります。

*乳腺炎に関するQ&A

乳腺炎と乳腺症は違いますか?

授乳中ではなくても乳腺炎はおきますか?

乳腺炎で頭痛はおきますか?

乳腺炎で関節痛はおきますか?

乳腺炎になると乳がんになりやすいですか?

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